Raffine D&C

お尻周りの脱毛で悩んでいたわんちゃんが、スキンケアと投薬で改善してきました！

もともとお尻周りの脱毛やガサガサしたふけで悩んでいたわんちゃんです。

脱毛や紅斑は膿皮症といって皮膚の細菌感染によるものです。

皮膚の細菌感染はほとんどの場合、常在菌と呼ばれるもともと皮膚にいて問題のない菌が皮膚の中に入り込み膿皮症と呼ばれる皮膚病を起こします。

正常な皮膚では皮膚のバリア機能により細菌感染が成立することはないのですがアトピーやホルモン疾患など皮膚のバリア機能の低下を起こす基礎疾患がある場合や、何らかの理由（定期的なシャンプーを行っていない、おむつなどで菌が増えやすい環境にある etc. ）で細菌の量が多い場合に膿皮症になります。

抗生物質の乱用は禁忌

細菌感染なら抗生物質で治せばよいと思われる方も多いかもしれません。確かに抗生物質を使用すると一時的に膿皮症は改善しますが、そもそも皮膚のバリア機能が弱い子は抗生剤の使用をやめるとそのうち再発します。（常在菌が原因ですから当然といえば当然です！）

では膿皮症になるたびに抗生物質を投与したり、抗生物質を投与し続ければ再発しないのではないかと考える方もいるかと思いますが、それは禁忌（キンキ：やってはいけないこと）です。

漫然と抗生物質を続けることは薬剤耐性菌といってその抗生剤に対して耐性を持った細菌を生み出してしまうため、人の医療でも獣医療でも非常に問題となっています。

症状改善のために一時的に抗生物質を使用することはもちろんありますが、症状が改善したあとに、再発を防ぐためにはスキンケアがとっても重要です。

アトピーの子はセラミドの低下により、皮膚が乾燥し、バリア機能が低下している

皮膚のバリア機能の最も表層を担っているのは角質層です。

角質層の細胞間脂質の主成分はセラミド、コレステロール、遊離脂肪酸ですが、アトピー性皮膚炎ではセラミド含有率の異常な低下により、角質細胞間脂質の機能が低下し、主に水分の保持能力が損なわれます。

その結果、細菌やアレルギー物質が皮膚の中に侵入しやすくなり様々な問題を引き起こします。

スキンケアにより皮膚のバリア機能は改善できる

保湿剤の使用は、アトピーで低下している角質層の水分含有量を改善し、皮膚のバリア機能を回復・維持することで、細菌やアレルゲンの侵入予防と皮膚炎の再燃予防、痒みの抑制につながります。

人の美容的な観点から考えても、スキンケアは毎日行うことが重要で、1日スキンケアを怠っただけでもお肌の調子が気になると思います。

ましてや、皮膚病のわんちゃんにとっては、人の美容以上に毎日のスキンケアが重要なものとなってきます。

適切な抗生物質の使用とスキンケアできれいな皮膚に！

一時的な抗生物質の使用と継続的なスキンケアにより膿皮症の再発を防ぎます。

スキンケアは皮膚のバリア機能を改善し、維持していくためのものです。

皮膚のコンディションがよくなったからといってスキンケアを怠ってしまうと、皮膚のバリア機能はまた低下し、膿皮症やアトピー性皮膚炎を再発します。

スキンケアがわんちゃんと飼い主様の日課となることが非常に重要です。

皮膚のことでお困りの際にはぜひ一度ご相談ください。